気持ちを安定させて、睡眠・覚醒のリズムを整える働きもあるセロトニンという物質が、人間の脳の中で働いています。
セロトニンを増やすとストレスに強くなり明るく過ごせることから、セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれることがある物質です。
セロトニンは脳の中に直接は入っていけない!?
ところが、セロトニンは血液から脳の中に直接には入っていけない物質です。脳の中に入れる物質は限られており、その関所のようなところで止められてしまうのです。
そのため、セロトニンの分泌を増やすにはセロトニンの材料になるトリプトファンという物質を食べ物やサプリから摂取する必要があります。
セロトニンの材料トリプトファンを摂ることで、セロトニンを増やすことができる!
トリプトファンは血液から脳への関所を通って中に入っていける物質で、脳の中の松果体という部分で、トリプトファンを材料にしてセロトニンが合成されて分泌されるのです。
そのため、トリプトファンが多く含まれる食べ物を知って、積極的に食べるようにすることで、セロトニンを増やし、穏やかで前向きな気持ちで過ごせるようになります。
また、セロトニンは睡眠・覚醒のリズムにも大きく関わっているため、セロトニンの分泌量を増やすことで、夜はぐっすりとした質の高い睡眠で寝られ、自然な疲労回復ができるようにもなります。
セロトニンを増やす食べ物って!?
セロトニンを増やす食べ物=トリプトファンが多く含まれる食べ物として知られているものでは、大豆製品・肉類・乳製品・卵・バナナなどがあります。
大豆製品というと、豆腐・みそ・納豆などがあり、豆腐では100g中に約100mg、納豆では100g中に約240mgのトリプトファンが含まれています。肉類では牛や豚などの赤身肉やレバーには100g中に200~280㎎のトリプトファンが含まれています。
これらをバランスよく摂取することで、効果的にセロトニンを増やし快適な生活を送ることができるようになります。
セロトニンを増やすのに効果的な時間帯は!?
セロトニンは、朝日を浴びることで脳の中での分泌がはじまります。夜寝ている間には分泌されません。
そのため、セロトニンを増やすためには、材料であるトリプトファンが多く含まれる食べ物を朝食で摂ることが効果的です。おすすめのひとつとしては、バナナと牛乳の組み合わせの朝食です。
バナナには100g中10mg、牛乳には40mgが含まれており、手軽で安価にトリプトファンを効果的に摂ることができる組み合わせです。また、バナナに含まれる糖質・ビタミンがトリプトファンの吸収率を高める働きをしてくれます。
トリプトファンの適切な摂取量って?
成人のトリプトファンの「1日の目標摂取量」は、体重1㎏あたり2㎎とされています。体重が60kgの方は120mgになります。一般的に、特に意識しなくても通常の食事から100mg~200mgは摂取できていると言われていますが、仕事が忙しい時期など生活が不規則になったり食事が偏りがちになる時は要注意です。
また、1日に6000㎎以上のトリプトファンを摂ると、肝臓に障害が出るおそれがあるとされていますが、用法用量を守らずにサプリメントを使用でもしない限りは、そうそう超えるものでもありません。
忙しいときこそ、トリプトファンを多く含む食べ物を意識して、セロトニンを増やして乗り切る!
仕事忙しい時期など、食べ物のことにまで気を配れない時期には、ストレスがたまりやすく、疲れやすい時期でもあると思います。また、睡眠時間を削って仕事をしないといけないこともあるかもしれません。
そういった時期には、トリプトファンを多く含む食べ物を意識して食事をすると、ストレス耐性を上げてくれるセロトニンの分泌を増やすことにつながり、また、夜は質の高い睡眠をとることができ、疲れを癒してくれます。
疲れやストレスが原因で、心が落ち着かなかったり、精神が安定してないなと感じられるとき、また、疲れがぬけにくい、夜ぐっすり寝られない、寝ても寝ても疲れが抜けないと感じるときなどは、セロトニンを増やすトリプトファンのサプリの活用を考えてもいいかもしれません。
サプリを活用するメリットは、なによりお手軽に必要な栄養を摂れるところです。